人間発達文化学類長
初澤 敏生
HATUZAWA Toshio
人間発達文化学類は、人間の教育・発達と文化の探究・創造に関する専門的知識・技能を身につけることにより、人間に関わる様々な課題に積極的に取り組み、これからの新しい社会を創造していく人材の育成を主な目的としています。学類の発足から10年以上が経過する中で卒業後の進路も多様化しており、学類の前身である教育学部からの伝統を引き継ぐ教育の分野はもとより、官公庁や様々な業種の民間企業など、卒業生は幅広い分野で活躍しています。
本学類は、学生が、自らの興味・関心や問題意識、希望する進路などに基づいて、人文、社会、数理の諸科学、芸術、スポーツの豊富な専門領域の中から学びのテーマを選び、主体的に学びを構築することができるカリキュラムを採用しています。この主体的な学びは、学びの体系性を保証するための「推奨プログラム」や、学びの道筋を確認するための「ポートフォリオ」を活用しながら、様々な局面での意思決定に際して「アドバイザー教員」からの助言指導を受けることにより手厚くサポートされています。
また、このような専門分野での学びを実社会の中で活かすためには、各分野の理論を具体的な経験の中で応用する方法を身につけることが欠かせません。そのため、本学類では実践を通しての学びを重視しています。例えば「実践実習科目」と呼ばれる科目群では、学生たちは、地域の中で子どもたちや様々な立場の人たちと接する中で、自らの学びの課題と取り組みながら、理論を現実に適用する方法を学んでいます。また、各授業科目においても、教室内での座学だけでなく、社会の中での様々な実習が準備されています。さらに、実践的な学びの機会はこのような授業以外の場にも広がっており、震災後の様々な教育復興支援活動や、各種ボランティア活動などに多くの学生が自主的に参加し、その活動は社会からも高く評価されています。
多様化・複雑化が進むこれからの社会の中では、教育や文化の姿やあり方も大きく変化していきます。本学類における主体的で実践的な学びは、そのような社会の中で、これまでに経験のない新たな課題に取り組んでいく際に、必ず大きな意味を持つことになるはずです。学生の皆さんが学びを深めていくことができるように、ともに学んでいきたいと思います。