行政政策学類長
今西 一男
IMANISHI Kazuo
福島大学行政政策学類は1987年10月に前身である行政社会学部として創設されたことに端を発しています。以降、翌1988年4月に第1期生を受け入れ、2004年4月に全学再編に伴う人文社会学群行政政策学類への改組を経て、今日に至っております。直近の2024年3月までにのべ8,000名以上の卒業生を送り出し、同じく4月の時点で第38期生を受け入れています。こうした40年近い学部、学類としての歩みを重ねることができたのも、地域社会を始めとする関係各位のご支援の賜物と思っております。心よりお礼申し上げます。
創設以来、本学類では「地域に学び、地域に貢献し、地域と共に歩む」という基本的な姿勢をもって、研究、教育、社会貢献にとりくんで参りました。身近な地域社会に始まり国際社会に至るまで、フィールドや学びの手立ては様々ですが、教員、学生ともに地域との関わりを意識して日々、研鑽を積んでいます。特に教育の面では数度のカリキュラム改革を経て、現在では「地域政策と法コース」「地域社会と文化コース」の2コース編成の下、それぞれの専門分野としての特色を発揮して、この基本的な姿勢からの展開を図っております。
今般、本学の周囲に目を転じてみても、人口減少社会の到来とともに、縮小する地域社会との向き合い方、成長より持続可能を志向した各種政策のとりくみが必要とされています。こうした時代状況は一見、閉塞的で展望の乏しいもののように見えます。しかし、過度な成長のための競争から距離を置き、減りゆく人口のなかでむしろ個々に光を当てることができる時代への入り口に立っているようにも思えます。すなわち、今なお本学類の役割、使命は減じておらず、新しい地域社会の構想に意欲的にとりくみ続けたいと考えております。
本学類の卒業生の進路は公共部門において定評がある一方、民間、各種団体にも有為な人材を輩出しております。私としましては、そうした職業人としての教育の一方、地域社会を始め、日常のくらしをより豊かにできる人材を育成したいと願っております。本学類では、学生は全ての学年において少人数の演習に所属し、教員も学生も相互に気を配りながら学修する環境を整えております。専門の研究の進展とともに、人間としての成長を志すみなさんの学びを実現する学類でありたいと心より思っております。