本学に入学・編入学された学士課程および大学院生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
福島大学を代表して、皆さんの新たな出発を心よりお祝い申し上げます。
また、これまで皆さんを支えてこられた保護者、ご家族の皆様にも、深く敬意を表し、心よりお慶び申し上げます。
本日、皆さんを福島大学の一員として迎えることができることを、私は大変うれしく思います。
さて、大学とは何のためにあるのでしょうか。
知識を身につけるため。資格を得るため。
もちろん、それも大切です。
しかし、私はそれだけではないと思っています。
これから皆さんが生きていく時代は、先の見通しにくい課題の連続です。
ウクライナやイランなど国際情勢は不安定さを増し、自然災害は多発し、人口減少や物価上昇も深刻化しています。さらにAIの急速な発展によって、学びや働き方、そして社会のあり方が大きく変わろうとしています。
私は、こうした時代に本当に必要なのは、「正解を覚える力」ではなく、「問を立てる力」だと思います。福島大学は、「正解のない問いに挑戦できる人材」を育てる大学です。 一人で考えるだけでなく、人と出会い、議論し、現場で行動していく。
その積み重ねが、皆さんを大きく成長させます。
では、みなさんにもう一つ問いかけます。
福島で学ぶ意味とは何でしょうか。
福島は、東日本大震災と原子力災害という未曾有の困難を経験しました。
その中で、人はどう支え合うのか。
地域はどう立ち上がるのか。
社会はどう再生し、未来をどう築いていくのか。
その問いに、福島大学の教職員や学生たちは真剣に向き合い続けてきました。
みなさんがいるこの体育館での避難所の運営、復興支援、むらの大学などの地域実践型教育。
そこには、教科書の中だけでは決して得られない学びがあります。
皆さんも、この場所で、その問いに向き合うことになります。
福島大学は今、「変化の時代に、進化で挑む。」というビジョンのもとで、新しい教育と研究を進めています。
その主役は、今日ここにいる皆さんです。
大学は、ただ将来のために準備をする場所ではありません。
ここは、自分の可能性を試し、未来をつくり始める場所です。
どうか失敗を恐れず、挑戦してください。
その経験は、後で必ず意味を持ちます。
皆さんは決して一人ではありません。
ともに学ぶ仲間がいます。
皆さんを支える教職員がいます。
そして、みなさんの活躍を期待する福島の皆さんがいます。
最後に、皆さんに私の座右の銘を贈りたいと思います。
それは、「自我作古」(じがさっこ)、我より古をなすという言葉です。自ら道を切り拓き、自ら前例となるという意味です。
福島から未来を切り拓く。
その一歩を、今日ここから踏み出してください。
改めて、本日はご入学、誠におめでとうございます。
令和8年4月6日
福島大学長 佐野孝治