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福島大学

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令和7年度(4月期)福島大学入学式「学長歓迎の辞」

 本学に入学・編入学された学士課程 および大学院生の皆さん、ご入学おめでとうございます。福島大学を代表して、皆さんの新しいスタートを心よりお祝い申し上げます。また、これまで皆さんを支えてこられた保護者やご家族の皆様にも、心からお慶び申し上げます。


 今日から、皆さんの新たな大学生活が始まります。学生時代は、人生の中で最も輝かしい時期の一つです。皆さんが本学の環境に一日も早く慣れ、充実した大学生活を送れるよう、教職員一同、全力で支えてまいります。


 今年で創立76年となる福島大学は、約5,000人の教職員・学生が集う、福島県唯一の国立大学です。46年前にここ金谷川キャンパスへ移転し、現在では、5つの学類、4つの大学院研究科を擁する総合大学として発展してきました。創立以来、約6万7千人の卒業生を輩出し、地域との強い結びつきを築いてきています。


 本学の特筆すべき特徴の一つは、学生の活動が極めて活発であることです。この後に演奏される学生歌『今日の世紀に』は、1954年に浅野孔さんと甲斐山義弘さんという二人の学生の創意と熱意によって生まれました。学芸学部と経済学部しかなかった当時、二つの学部の間には隔たりがありました。学部を越えてみんなで一つの歌を歌いたいという学生の強い要望を受け、歌詞と作曲が公募され、同じ年の11月に学生歌として発表されました。それから70年以上にわたり、本学の精神を象徴する曲として歌い継がれています。


 14年前、この福島県で、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故が発生しました。福島大学は被災地の復興支援に全力を注ぎ、学生たちも大きくその一翼を担いました。震災当時、この第一体育館は百数十名の避難者が身を寄せる避難所となり、その運営には70名ほどの学生が携わりました。彼らはわが身を省みず、被災者の命を守り続けました。避難所が閉所となった後には、数百人規模の災害ボランティア組織を立ち上げ、現在も能登半島支援などで活動を続けています。その他にも、避難した子どもたちのケア、地域活性化イベントの開催、被災地の学校支援など、学生たちは多方面で活躍を見せています。


 本学では、「学生が自ら問題を発見し、仲間とともに実践し、振り返ること」を重視し、「正解のない問いに挑戦できる人材」の育成を目指しています。現代社会は加速度的に変化し、複雑かつ曖昧で見通しの困難な状況となっています。こうした時代を生き抜くためには、気候変動や少子高齢化といった科学的に推論できるデータを基にして未来を先回りして考え、今何をすべきかを逆算する思考が求められます。これまでの伝統的なやり方とは異なる、斬新なやり方で答えを見つける必要があるのです。


 大学生活も同様です。大学は与えられた課題をこなす場所ではなく、自分のやりたいことを探し、自分なりのアプローチで挑戦する場です。これまでの経験にとらわれず、自分の「ビジョン」を描き、その実現に向けて今何をすべきかを考えながら勉学に、研究に、課外活動に励んでください。


 福島大学には、地域と関わりながら、社会や自分の将来を考える機会が数多くあります。皆さんがこのキャンパスの中で、またキャンパスを飛び越えて、たくさんの経験を積み、大きく成長してくれることを期待し、歓迎の言葉といたします。


令和7年4月4日
福島大学長 三浦浩喜

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