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福島大学

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令和5年度(4月期)福島大学入学式「学長歓迎の辞」

 本学に入学・編入学された学士課程の皆さん、そして大学院生の皆さん、ご入学誠におめでとうございます。
福島大学を代表して、皆さんの入学をお祝いするとともに、今日から福島大学の一員となられた皆さんを 心から歓迎いたします。また、これまでお子様を支えてこられました保護者やご家族の皆様にも、お子様のご入学をお慶び申し上げます。


 新型コロナウイルス禍に振りまわされたこれまでの3年間も次第に過去のものとなりつつあり、本学では実に4年ぶりに保護者の前で、入学式を挙行できる運びとなりました。すべての皆様と共に、今日のこの日を喜び合いたいと思います。


 さて、厳しい受験勉強を乗り越え、晴れて入学された新入生の皆さん、今日から、この福島大学で新しい生活が始まります。皆さんが一日も早く新しい環境に慣れ、実りのある大学生活を送ることができるよう、教職員全員でしっかりと支えていきたいと思います。


 現代社会は「V・U・C・A」、VUCAと呼ばれています。予測不能、不確実、複雑、曖昧、の英語の頭文字をとった造語です。新型コロナウイルスや、平和が破壊されたウクライナ、そこから派生した様々な状況が、これを象徴しています。世界を覆う様々な脅威が、一人ひとりの心理にまで影響を及ぼし、政治を混乱させ、経済を危機にさらし、これがいつまで続くのかわからない、そのような誰も経験したことのない問題状況の中に私たちはいます。


 本学では教育理念を「問題解決を基盤とした教育」とし、「解のない問いにチャレンジできる人材」を育てることを目的に掲げています。12年前の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故では、福島大学は発災直後から被災者への支援活動を行い、これによって他の大学にはないたくさんの学びを得ました。
避難している子どもたちを支援するボランディア、大きくダメージを受けたコミュニティや産業を取り戻すための取り組み、放射能の動きを調査する研究、等です。これらを通して、問題を解決する方法と答えは複雑な現実社会の中にあるということ、新しい問題に対して用意されている答えは用をなさず、時間をかけて新しい答え、つまり「新しいやり方」を創り出さなければならない、ということを学びました。


 福島大学に入学した皆さん。現代社会を生き抜くためには、過去や現在を学ぶだけではなく、これから起きる未来を予測する能力が必要です。様々な情報を集め、自分の経験をすり合わせ、未来への見通しを得ることがとても重要です。それも、より遠くの未来を見るためには、背伸びすることが大切です。地面にしっかり脚をつけたままでは、遠くは見えません。背伸びをすることで、周りの人よりもさらに遠くを見ることができます。

 大学時代は、これまでにない自分の姿を発見する場でもあります。その姿は、自由と試行錯誤によってもたらされます。試行錯誤する時間が与えられ、失敗が許されるからこそ、学生時代は、人生の中で最も輝かしい時代となるはずです。自分にとって、そして社会にとって何が一番大切なのかを考える、とても大切な時代となるはずです。
福島大学には、この試行錯誤する機会がたくさん与えられています。皆さんがこのキャンパスの中で、またキャンパスを飛び越えてたくさんの経験を積み、大きく成長してくれることを期待し、歓迎の言葉といたします。


令和5年4月4日

福島大学長 三浦浩喜

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