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福島大学

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授業開始にあたっての学長メッセージ【5月1日更新】

 ここ金谷川キャンパスは新緑の季節を迎え、すがすがしい日々が続いていますが、残念なことに本来いるはずの学生の姿はありません。

 4月16日に日本全域が緊急事態宣言の指定地域となり、大学や学生の皆さんを取り巻く状況の深刻の度合いがいっそう深まりました。既に報道されているように、4月30日に本学でも複数の学生に感染が確認されました。感染された方の一日も早い回復を願うとともに、さらに感染を拡大しないよう全学をあげて取り組んで参りたいと思います。加えて、学生の皆さんには今後とも「学生行動ガイドライン」に沿って感染拡大防止に努めていただくと同時に、感染者を差別したり偏見を持たないよう強くお願いします。

 また、こうした学生を物心両面で支えていただいているご家族の皆様、本学卒業生及び地域の皆様、その他関係者の皆様にも、この場を借りて深く御礼申し上げます。

 世界では4月30日現在で、感染者の累計は311万人、死者は21万人を超え、世界経済もここ100年で最も大きな落ち込みを見せており、その影響は至る所で目にするようになっています。他団体の調査によれば、7割ほどの学生がアルバイト収入を失い、5割の学生の家計が急変し、13人に1人が退学を検討しているとしており、本学の学生もそれに近い状況にあると考えられます。本学では、学生たちの健康状態や経済状況の調査を行っており、個別の課題に迅速に対応できるよう準備しています。困ったこと、心配なことがあれば、関係の窓口、もしくは担当の教員に相談してもらいたいと思います。

 さて、5月7日より令和2年度の授業が開始されます。一部の例外を除いて、ほぼすべてがオンラインの授業で行うこととなり、新入生はもちろん、在学生、大学にとっても、初めての取り組みとなります。福島大学は関係部局、課でできる限りのサポートを行いますので、不安なこと、うまくいかないことがあれば、担当窓口にご連絡をお願いします。

 その上で以下の点について留意してもらいたいと思います。

 まず、この困難な情況を機に遠隔授業の方法やICT(情報技術)に慣れていただき、一人ひとりがツールとして使いこなせるように努力してほしいということです。この授業方法はキャンパスで授業を行えないための代替手段ですが、同時に、一箇所に集まらなければならない、資料を提出しなければならないといった物理的な制約を超える手段として、今後に可能性を広げるものでもあり、今後の学生生活のみならず、社会に出てからも必須のスキルとなります。

 次に、様々な授業形態があり、不安定な毎日が続きますが、その中にあっても学生の本分である学修を、規則正しく続けるリズムをつくってもらいたいということです。近い将来、キャンパスでの授業が再開されたときに、スムーズに毎日の学修に移行できるよう、心身ともに準備を整えておいて下さい。

 最後に、このような厳しい状況の中でこそ、自身の学びの目的をしっかりと意識してもらいたいということです。新型コロナウイルスとのたたかいは「まだ序の口」とも言われ、長期戦となることは必至で、私たちは現在、歴史の転換期にいるとすら言えるかも知れません。このようなときだからこそ、大学で「学ぶこと」「考えること」「行動すること」「共有すること」がとても重要となります。本学の教育理念である「解のない問い」にチャレンジできる人材を育てることが、大震災・原発事故からの復興に留まらず、新型コロナウイルス収束後の新しい社会の建設に大きな意味を持つものと確信しています。

 通常とは異なる日々の中でそれぞれに努力することをお願いするとともに、一日も早く、成長した皆さんの姿で賑わう金谷川キャンパスを取り戻したいと思っております。

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