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福島大学

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年頭学長挨拶

 平成31年 新年、明けましておめでとうございます。

 昨年4月に再任されてから1年近くがたちましたが、教職員全員の力を借りて、福島大学をより良い大学にしていきたいと思っています。 最初に、昨年1年間における本学の特筆すべき取り組み6点について、お話したいと思います。

 まず一つ目は、農学群食農学類の設置認可についてです、昨年8月末に平成31年度4月の食農学類の設置認可が下りました。本申請について「付帯事項」が一つもなく、これは食農学類構想が優れたものであり、また、優秀な教員が採用できた結果であると考えております。これらはひとえに「農学系教育研究組織設置準備室」の尽力によるもので、この場を借りて改めて感謝申し上げます。

 今春の食農学類開設については、この新年の地元新聞紙面でも大きな期待が寄せられた記事があり、また、開設へ向けては、福島市、福島県、伊達市、川俣町、そしてJAなどから財政面での支援、さらには、福島市松川町から農地を提供等、地元から多くの支援をいただいております。これからの食農学類の教育研究上の成果を地域に還元できるよう努めていきたいと考えております。

 二つ目は、環境放射能研究所の取り組みについてです。食農学類同様、昨年8月に平成31年度4月の環境放射能学専攻の大学院開設が認められ、さらに、環境放射能研究所は、「全国共同利用・共同研究拠点」に認定されております。本学の研究拠点として認知され、今年度の予算から、これまで「機能強化経費」として配分されていたものが「基幹経費」されたことも、極めて大きい成果であります。

 三つ目は、既存教育組織(夜間主コースを含む学類)の改編の検討についてです。これまでの「共通教育」の基本的考え方を再考し、アクティブラーニング等の新たな手法も念頭に置きつつ検討した結果、「共通教育」を「基盤教育」と改め、平成31年度からのカリキュラムについて抜本的改革を行いました。また、食農学類設置に伴い、各既存の4学類においても「専攻」を「コース」に改めるなどの専門教育の改革も行いました。このことに関連して昨秋行われた全学FD研究会においては、これまでになく多数の教員に出席いただき感謝しております。引き続き大学教育改革の推進に努めていく所存です。

 四つ目は2020年度に実施する2021年度福島大学入学者選抜の見直し予告の発表についてです。昨年末に、英語資格検定試験と国語の「記述問題」の活用方法についての公表、及び、一般選抜試験における「主体性評価」についての公表が出来ました。

 五つ目は、ガバナンス改革に関することです。食農学類や環境放射能学専攻の設置に伴い、全学の組織体制の見直し、さらに、全学各種委員会の全面的見直しを行いました。今後は、このことに伴う事務組織の見直し等、平成31年4月に向けて全学の組織体制の詳細について引き続き検討していきます。

 六つ目は、キャンパスの施設整備に関することです。耐震改修については、長い間予算要求をしておりましたが、大学会館(トイレ改修を含む)、S講義棟南側の改修が終わり、M講義棟の改修のめどが立ち、さらに、平成30年度補正予算が認められ、事務局棟の耐震改修も始まる予定となりました。

 これらいずれの取り組みも、担当理事・副学長をトップにした教職員の尽力によるとことが大きいと考えております。この場を借りて改めて御礼と感謝を述べさせていただきます。

 平成31年3月末で「中井プラン2021(改訂版)」で掲げていた「三位一体(新しい教育組織、既存専門教育組織、共通教育)の改革」は完了します。平成31年4月からは新しい福島大学のスタートの年となります。引き続き役員・教職員の皆様とともに、福島大学がこれまで以上に地域から求められる大学となるよう、邁進していきます。

     

 今年の5月には「平成」から「新しい元号」がはじまります。平成31年度に改組を行う本学は、改元と同時に新しいスタートを迎えることとなります。学長として今年の取り組みについて、4点をお話いたします。

 一つ目は、新たなスタートへの円滑な対応ができるよう万全の受け入れ態勢を整えます。食農学類は第1期生学生を受け入れることとなり、彼らの学びが先例となり、学生の満足度が学生志望等に影響を与えることになるでしょう。一方、旧カリキュラムと新カリキュラムの並存する既存4学類においては、改組の移行期間として、様々な課題に直面する場面もあると思われます。学生教育に万全の体制を整えていきます。

 二つ目は、福島大学創立70周年記念事業を成功させます。具体的には、今年10月16日(水)の記念式典、福島大学校友会(ファミリー会)の設立、そして「リノベーション基金」活動等を進め、創立70周年記念事業を成功させます。

 三つ目は、大学院定員未充足問題の解決を目指します。本学は、平成27年度から平成30年度まで、4年連続で大学院定員が未充足(90%未満)となっております。本学においては、平成29年度からは、人間発達文化研究科内の専攻として教職大学院(教職実践専攻)を設け、また平成31年度より共生システム理工学研究科に環境放射能学専攻を設置して大学院改革を進めてきました。しかし、一部の研究科では定員充足の取り組みがなされてきましたが、これら研究科の抜本的な改革は進んでいません。当面は志願者をどのように確保するかを先行させつつ、「魅力ある大学院」をどう作り上げるかを検討していかなければならないでしょう。

 四つ目は、東日本大震災と福島第一原発事故における福島大学の独自の取組みを語り継ぐ事業を推進したいと考えております。本学では、「うつくしまふくしま未来支援センター(FURE)」が様々な支援事業を展開していますが、震災・原発事故からまもなく8年を迎えます。8年間の年月は、当時小学4年生が大学の新入生になるということであり、震災・原発事故直後からの本学独自の取組みの記録と記憶を留めることが重要になってきています。震災・原発事故当時の本学教職員の記憶も薄れてきているのではないでしょうか。震災・原発事故直後から福島大学の教職員の独自の取組みを記録し、語り継ぐ必要を感じております。これら件について、学長として改めて提案したいと考えております。

 国立大学法人を取り巻く環境は、大局的には、「少子化」と「財政赤字」等の問題により、非常に厳しい環境のもと運営を行わなければならざるを得ないという状況です。また、国立大学の法人統合をめぐる様々な動きも見受けられます。

 このような状況下ではありますが、私は、福島大学が個性豊かで特色のある国立大学であるべきと考えております。そしてそのためには、あらためて、地域とともに歩む大学、同時に学生・教職員一人一人がやりがいを感じる大学とは何かを常に考えることで、より良い福島大学を目指していきたいと思います。

2019年1月7日 福島大学長 中井 勝己



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