TOP > 共生システム理工学研究科 > 共生システム理工学専攻
21世紀的諸課題は拡大すると共に複雑化の様相を呈しており、理学と工学の高度な専門性に加え、地球規模の視野と多元的な視点を持つ「共生のシステム科学」という枠組みの中で教育と研究を行う必要性がさらに増しています。例えば、高度デジタル社会への対応、人支援技術と産業の創出、カーボンニュートラルの実現、自然環境・災害・温暖化と社会との関わり、といった課題に取り組むには、理学と工学、科学と技術、自然と社会をシームレスに俯瞰することが求められます。そのような能力を備えた新しい理工系人材は、未来志向の科学・技術の倫理観を身につけ、真に実現可能な解を見出すことができます。震災・原発事故によって、自然と人為が複合し簡単には解決できない問題を突きつけられた福島県では、課題解決に向けて継続的に教育と研究に取り組む長期的な視点が必要です。本専攻ではこのような教育と研究を実施することにより、グローバルな諸課題の解決へと繋げることを目指します。
数理・情報システムコース | 数理科学では現実の問題を数学的手法によって抽象化・モデル化して解決する能力やアルゴリズム設計能力、情報科学ではソフトウェアシステムを設計・開発・運用できる実践能力、経営工学では製品開発・生産・流通・サービスなど多様な課題を幅広い工学的アプローチを駆使して解決できる能力をそれぞれ養成します。これにより、体系的な視野バランスを有したソフトウェア人材養成を達成します。 |
---|
物理・メカトロニクスコース | 社会に役立つ新たな「技術」や「システム」の創出を担う研究者・開発者を養成します。そのために、物理学・機械工学・電気工学を基盤とし、新機能を持つデバイスなどの要素技術や新たな測定手法から、ロボティクスや生体工学における制御技術・数値シミュレーション技術などの開発を通して物事・人・現象などをシステムとしてモデル化する方法、人々の生活に役立つものづくりに必要な設計思想と製作技術までを体系的に養います。 |
---|
物質・エネルギー科学コース | 無機化学・有機化学を基盤とし、小分子からナノレベル、バルクレベルでの新たな物質・材料の創製から新機能の発現、省資源・省エネルギーを常に意識した製造方法の探求、エネルギー技術に関する革新的・実証的研究、さらには分析化学・分光学を基盤とした放射性物質や汚染土壌等の高度精密分析技術などを体系的に備えた人材養成を達成します。 |
---|
生命・環境コース | 生物学・心理学・地学・気象学・水文学・計画学などを軸に、生物多様性の調査・保全、人間の心理・生理的仕組みの解明、自然災害の予測や防災、人間活動が環境に及ぼす影響の解明、環境を構成する自然・社会・文化を総合的にとらえたデザイン・計画など、多角的な専門知識とフィールド感覚を備えた能力と実践力を有した人材養成を達成します。 |
---|
共生システム理工学専攻では、広範で多様な専門教育を提供できるよう多くの研究分野を包含するとともに、個々の専門的学修目標を明確化するため、自専攻科目を「基礎領域」と「発展領域」の2段階に区分し教育課程を明確化した上で、高度専門職業人育成の核となる多様な基礎・発展領域科目群を用意している。また、自専攻科目の中に4コースに共通する共通科目として「地域実践研究Ⅰ・Ⅱ」を置く。地域実践研究Ⅰ・Ⅱは、地域社会のニーズと大学院教育のマッチングを促進する一環として、地域に貢献できる実践的な力を有する専門職業人を養成するために、地域の課題と積極的にかかわることを目的として、福島県内の研究機関の協力を得て共生システム理工学研究科の設置当初から開講している。なお、専門性重視型及び学際性重視型のいずれの履修パターンにおいても「修士論文研究」を課す。
カリキュラムマップ(専門性重視型) カリキュラムマップ(学際性重視型) 履修モデル
※授業科目は、学生募集要項と併せて公表している各研究科(専攻)の「案内」をご覧ください。
詳細情報は「シラバス」からご覧いただけます。
「学際性重視型」では、実践力、学際性・俯瞰性に加え、多分野に応用できるスキルを身につけるために、第1~3セメスターで「プロジェクト研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」を履修します。「プロジェクト研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」は、学生と教員が特定の課題の研究プロジェクトに取り組み、計画の立案、調査の実施、結果の分析、報告書の作成・成果発表などを通して調査・研究力を養成する教育プロジェクトです。学生が自ら研究テーマを設定して取り組む「学生組織型」と教員が設定する研究テーマに取り組む「教員組織型」があり、いずれのプロジェクト研究を履修するかは「プロジェクト研究Ⅰ」の中で選択・決定します。なお、「教員組織型」で予定しているプロジェクト研究のテーマは添付ファイルを参照してください(計画は変更となる場合があります)。
【教員組織型】プロジェクト研究一覧
福島大学大学院では、地域や社会が抱える生の課題に対応するため、「分野横断型」「専門高度化」の2種類のプログラムを設定しています(4科目8単位以上)。プログラム修了者のうち、希望する学生を対象に修了証を発行します。
共生システム理工学専攻には幅広い専門分野があり、その中には環境放射能学に貢献・活用できる機械、物理、化学、地学,水循環、生物関係の専門分野が数多くあります。そこでこのプログラムでは、受講生が関心のある理工学専攻の各専門分野の理論や技術を活かして、環境放射能学を支援するために各専門分野を応用することを目指します。
理工学専攻で学ぶ機械、物理、化学、地学、水循環、生物関係の各専門分野の理論や技術を用いて、環境放射能学を支援できる能力を身につけます。具体的には、受講生が関心のある理工学専攻の専門科目とともに、それに関係した環境放射能学専攻の専門科目を受講することにより、環境放射能学をそれぞれの専門分野から支援し応用できる技術や能力を修得します。
対象科目群は、以下の31科目です。
<共生システム理工学専攻科目>
分子生態学特論Ⅰ・Ⅱ、環境微生物学特論Ⅰ・Ⅱ、流域水管理特論Ⅰ・Ⅱ、流域水循環特論Ⅰ・Ⅱ、地下水盆管理計画特論Ⅰ・Ⅱ、物性物理学特論Ⅰ ・Ⅱ、分析化学特論Ⅰ ・Ⅱ、メカトロニクス特論Ⅰ・Ⅱ
<環境放射能学専攻科目>
・環境放射能学I・Ⅱ、核種分析学、原子力災害学、放射生態学、水圏放射生態学、森林放射能学、動物生態学、陸域放射能動態学、移動現象論、放射能モデリング学特論、海洋放射能動態学特論、陸域生物圏放射能動態学(※)、放射能等の分離技術(※)、放射線計測工学特論
(※受講に当たっては科目に必要な基礎知識を有することを条件とします)
4科目8単位以上<共生システム理工学専攻科目と環境放射能学専攻科目それぞれから少なくとも1科目2単位以上を選択する必要があります>
石岡 賢
ISHIOKA Masaru
技術経営、製品開発戦略、マーケティング戦略
石川 友保
ISHIKAWA Tomoyasu
ロジスティクス、オペレーションズ・リサーチ
内海 哲史
UTSUMI Satoshi
情報ネットワーク
大沼 亮
ONUMA Ryo
データ工学、ソーシャルメディア分析
筧 宗徳
KAKEHI Munenori
経営工学、教育工学
笠井 博則
KASAI Hironori
非線形偏微分方程式論、応用数学
神長 裕明
KAMINAGA Hiroaki
ソフトウエア工学
ザビル サラウッディン ムハマド サリム
ZABIR Salahuddin Muhammad Salim
情報ネットワーク、IoT、人工知能の応用
篠田 伸夫
SHINODA Nobuo
情報科学、情報教育
董 彦文
DONG Yanwen
経営情報システム
中川 和重
NAKAGAWA Kazushige
非線形解析
中田 文憲
NAKATA Fuminori
微分幾何学
中村 勝一
NAKAMURA Shoichi
HCI、データ工学、教育工学
中山 明
NAKAYAMA Akira
オペレーションズ・リサーチ、応用数学
中山 祐貴
NAKAYAMA Hiroki
HCI、情報視覚化
西嶋 大輔
NISHIJIMA Daisuke
環境システム分析、環境経済学
長谷川 真吾
HASEGAWA Shingo
暗号理論、情報セキュリティ
樋口 良之
HIGUCHI Yoshiyuki
経営工学、資源・廃棄物に関わる計画、管理、評価
藤本 勝成
FUJIMOTO Katsushige
非加法的集合関数、知能情報学
三浦 一之
MIURA Kazuyuki
アルゴリズム論、グラフ理論
和田 正樹
WADA Masaki
解析学、確率論
稲田 シュンコ アルバーノ
INADA Shunko Albano
医用工学、光生物学、電子工学
衣川 潤
KINUGAWA Jun
ロボット工学
島田 邦雄
SHIMADA Kunio
流体工学、エネルギー工学
髙橋 隆行
TAKAHASHI Takayuki
ロボット工学、制御工学
田中 明
TANAKA Akira
医用工学
馬塲 一晴
BAMBA Kazuharu
素粒子的宇宙論、重力理論
二見 亮弘
FUTAMI Ryoko
生体工学
山口 克彦
YAMAGUCHI Katsuhiko
物性物理学、放射線科学
浅田 隆志
ASADA Takashi
環境衛生科学、バイオマス資源学
生田 博将
IKUTA Hiromasa
無機固体化学、固体電気化学
猪俣 慎二
INOMATA Shinji
無機化学、有機金属化学
大橋 弘範
OHASHI Hironori
物理化学、X線γ線分光学
大山 大
OYAMA Dai
合成化学、金属錯体化学
佐藤 理夫
SATO Michio
化学工学、製造・エネルギープロセス
杉森 大助
SUGIMORI Daisuke
生物工学
高貝 慶隆
TAKAGAI Yoshitaka
分析化学、分離化学、分子機能学
髙安 徹
TAKAYASU Tohru
有機化学、構造有機化学
中村 和正
NAKAMURA Kazumasa
材料工学、材料物性、材料分析
兼子 伸吾
KANEKO Shingo
保全生態学、分子生態学
川越 清樹
KAWAGOE Seiki
河川工学、水文学、自然災害科学
川﨑 興太
KAWASAKI Kota
都市計画、まちづくり
木村 勝彦
KIMURA Katsuhiko
植物生態学、年輪年代学
黒沢 高秀
KUROSAWA Takahide
植物分類学、生態学
後藤 忍
GOTO Shinobu
環境計画、環境システム工学
柴﨑 直明
SHIBASAKI Naoaki
地下水盆管理学、水文地質学、応用地質学
高原 円
TAKAHARA Madoka
精神生理学、睡眠科学
塘 忠顕
TSUTSUMI Tadaaki
昆虫の比較形態学、地域の昆虫相・カニムシ相
長橋 良隆
NAGAHASHI Yoshitaka
地質学、火山地質学、第四紀地質学
永幡 幸司
NAGAHATA Koji
サウンドスケープ
難波 謙二
NANBA Kenji
環境微生物学
水澤 玲子
MIZUSAWA Reiko
島嶼生態学・植物の繁殖生態学
横尾 善之
YOKOO Yoshiyuki
流域水文学
吉田 龍平
YOSHIDA Ryuhei
気象学、応用気象学
すでに1種の教育職員免許状を取得している場合は、教育職員免許法(以下「教免法」という)に定める所定の単位を上積みすることにより、取得している1種免許状と同種の専修免許状を取得できます。
本研究科において取得できる教育職員免許状は、中学校教諭専修免許状(数学、理科、技術)、高等学校教諭専修免許状(数学、理科、工業、情報)です。
数理・情報システムコース:急速な変化に対応できる理論と実装の両側面の視野を備えたソフトウェア人材、すなわち高度情報化社会に適応できる研究者や専門技術者を養成します。
物理・メカトロニクスコース:設計から実装・シミュレート・検証までの能力を有する研究者や専門技術者を養成します。
物質・エネルギー科学コース:高機能・高付加価値で環境負荷の少ない新たな物質の創製や省資源・省エネルギーを意識した製造方法を探求できる研究者や専門技術者を養成します。
生命・環境コース:生活の安心・安全の向上に貢献できる実践力を有した環境エンジニア、すなわち自然と人間の共生や環境のモニタリング・管理・計画を担う研究者や専門技術者を養成します。
過去5年間に共生システム理工学研究科共生システム理工学専攻を修了した者は平均37.2名で、うち就職を希望する者の就職率は平均97.9%と非常に高い実績となっています。進路の内訳は、製造業が16.8名、サービス業5.4名、情報通信業3.2名、教員2.4名、建設業1.4名、地方公務員1.2名、電気・ガス・水道業1.0名、卸・小売業0.8名、教育・学習支援業0.4名、運輸業・郵便業、金融業、宿泊業・飲食サービス業、国家公務員が各0.2名となっており、福島県内への就職率は、平均34.0%でした。
地域を問わず、全国の各種製造業(はん用・生産用・業務用機械器具、電子部品・デバイス・電子回路製等)を中心に、技術サービスや情報通信など、専門性の高い職種に多くの人材を輩出してきた実績があります。
専攻
問合せ先
共生システム理工学専攻
共生システム理工学類支援室TEL.024-548-5213
入試について
入試課024-548-8064