メニューを飛ばして本文へ

福島大学

Menu

令和3年度入学式を挙行しました

令和3年度 福島大学入学式 「学長歓迎の辞」

IMG_3868.jpg

本学に入学・編入学された皆さん、ご入学 誠におめでとうございます。 福島大学を代表して、皆さんの入学をお祝いするとともに、今日から福島大学の一員となられた皆さんを 心から 歓迎いたします。また、これまでお子様を支えてこられました保護者やご家族の皆様にも、お子様のご入学をお慶び申し上げます。


厳しい受験勉強を乗り越え、晴れて入学された皆さんは、福島大学での新しい生活に期待を膨らませていることと 思います。皆さんが一日も早く新しい環境に慣れ、充実した大学生活を送ることができるよう、教職員全員でしっかりと支えていきたいと思います。


さて、現在、世界は新型コロナウイルス感染症との戦いのさなかにあります。本日の入学式も、密を避けるために3部に分けて実施しております。昨年度は入学式も取りやめ、前期は授業もオンラインで始まり、後期はやっと対面でスタートさせることができました。しかし、学内で感染者が増えたために、途中からオンラインに戻し、卒業式も規模を縮小し、学生の活動の多くも自粛せざるを得ませんでした。


このような混乱した状態は本学だけではなく、ほとんどの組織が経験している、かつてない事態です。現在の社会は「V・U・C・A」、VUCAと呼ばれています。気まぐれ、不確実、複雑、曖昧、の英語の頭文字をとった造語です。現在の新型コロナウイルスに苦しむ世界がまさにVUCAを象徴しています。ウイルスという目に見えない脅威が、一人ひとりの心理にまで影響を及ぼし、政治を混乱させ、経済を危機にさらし、これがいつまで続くのかわからない、そのような誰も経験したことのない問題状況の中に私たちはいます。


本学では教育理念を「問題解決を基盤とした教育」とし、「解のない問いにチャレンジできる人材」の育成を目的に掲げています。10年前の東日本大震災、それに伴う東京電力福島第一原子力発電所事故では、福島大学は発災直後から被災者への支援活動を行い、これによって大学はたくさんの学びを得ました。


教育理念「問題解決を基盤とした教育」とは、10年間の震災復興の取り組みで得た学びをすべての学生たちに学んでもらうことであり、教科書の中に閉じ込められた体系的な知識を詰め込むだけではなく、複雑な現実社会の中で一人ひとりが自分なりのアプローチの仕方で問題を発見し、仲間とともに探究し、自分自身の生き方や社会のあり方を考えてもらいたいという願いがこめられています。 このコロナ禍においても、コロナだから何もできない、仕方がない、と諦めるのではなく、これまであまり得意ではなかった情報機器を駆使して、新しいやり方を開拓していく、そのように、問題状況の中で考え、クリエイティブに乗り越えていくことが求められています。


ある統計調査によると、「自分の力で社会を変えることができる」と考えている若者の割合は、多くの国が5割以上であるのに対し、日本ではわずかに18%です。実に日本の若者の5人に4人は「自分ではない誰かが、何かをやってくれる」と思っているというのが現状です。様々な困難を乗り越えてきた福島大学に入学したからには、ぜひ、その18%の側の人間になっていただきたいですし、さまざまな活動を通してその輪を広げてもらいたいと思います。


最後になりますが、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、授業やキャンパスライフにおいて100%のパフォーマンスを発揮することができない形で令和3年度がスタートしました。しかし、厳しい状況の中でしか学べないこと、伸ばせない力があることも心に留めていただきたいと思います。 どのような厳しい状況であっても、学生時代が、人生の中で最も輝かしい時代であることに変わりありません。自分にとって、そして社会にとって何が一番大切なのかを考えるとても大切な時代となるはずです。
皆さんが困難を乗り越え、大きく成長してくれることを期待し、歓迎の言葉といたします。

令和3年4月5日

福島大学長 三浦 浩喜

令和3年度 福島大学入学式配信映像


ページトップ