○国立大学法人福島大学における大学発ベンチャー企業から対価として取得する株式等の取扱規程
令和7年2月27日
(趣旨)
第1条 この規程は、国立大学法人福島大学(以下「本学」という。)において、大学発ベンチャー企業を積極的に支援することを目的として、大学発ベンチャー企業から本学の研究成果に係る収益を伴う事業の対価として株式等を取得する場合の取扱いに関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この規程における用語の定義は、次の各号に定めるところによる。
一 「知的財産権」とは、国立大学法人福島大学職務発明等規則(平成16年11月22日制定。以下「職務発明等規則」という。)第2条第3号に規定する権利をいう。
二 「収益を伴う事業」とは、本学が国立大学法人法(平成15年法律第112号)第22条第1項各号の規定に基づき行う業務の範囲のうち、収益を目的とした次に掲げる事業をいう。
イ 知的財産権の譲渡及び提供又は実施権の設定、実施許諾及び使用許諾
ロ 福島大学成果有体物取扱規程(令和2年3月17日制定。以下「有体物規程」という。)第3条第1項第3号に規定する成果有体物の提供及び使用許諾
ハ 上記のほか、特に学長が必要と認めた事業
三 「株式等」とは、株式及び新株予約権をいう。
四 「大学発ベンチャー企業」とは、国立大学法人福島大学発ベンチャー支援に関する規程(平成27年2月26日制定)第3条第1項に規定する支援を受けるもののうち、企業(NPO法人等は含まない。)をいう。
五 「インサイダー取引」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「取引法」という。)第166条に規定する有価証券の取引等をいう。
六 「未公開株式」とは、取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。
(株式等の取得)
第3条 本学は、収益を伴う事業を行う相手方が大学発ベンチャー企業であり、かつ、当該大学発ベンチャー企業が次の各号のいずれかに該当するときは、収益を伴う事業の対価の一部又は全部を株式等により取得することができるものとする。
一 対価に相当する現金を保有していないとき。
二 対価を現金で支払うことによって、資金繰りに窮すると認められるとき。
三 対価を現金で支払うことが経営に重要な影響を及ぼすと認められるとき。
四 その他学長が認めたとき。
(審査)
第4条 研究推進機構長(以下「機構長」という。)は、大学発ベンチャー企業から収益を伴う事業による対価を株式等で取得することについて、株式等による収益事業対価支払申請書(別紙様式1)により申込みを受けたときには、国立大学法人福島大学研究推進機構会議(以下「研究推進機構会議」という。)において審査する。
2 研究推進機構会議は、当該大学発ベンチャー企業の財務状況、事業計画、その他株式等の取得の妥当性を判断するために必要な事項について、必要に応じ関係する部局、委員会等へ意見聴取を行うとともに、聴取した意見等を踏まえその取得の可否について審査を行うものとする。
3 機構長は、前項の審査結果について、学長に報告するものとする。
2 前項の規定により株式等の取得の決定をした場合、株式等の取得について規定した契約書を取り交わし、当該株式等を取得するものとする。
(株式等の管理)
第6条 国立大学法人福島大学会計実施規程(平成16年4月1日制定)第3条第1項に規定する経理責任者(以下「経理責任者」という。)は、取得した株式等を管理する。
2 学長は、必要に応じて保有する株式等の評価を機構長に実施させ、その結果を経理責任者に報告させる。
3 前項に基づく指示があった場合は、機構長は、研究推進機構会議において、株式等について評価を行う。
(株式等の売却等における取扱い)
第7条 収益を伴う事業の対価として取得した株式等を換金することが可能となったときは、速やかに売却するものとし、当該株式等が未公開株式である場合は、当該株式等の公開後速やかに売却するものとする。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合は、株式等を保有することができるものとする。
一 収益を伴う事業の対価として取得した株式等を換金することが可能となった時点において、当該株式等の価格が収益を伴う事業の対価に相当しないものである場合
二 収益を伴う事業の対価として取得した株式等が上場された際、当該株式を売却することにより当該株式の価格の急激な下落を招くおそれがある場合
三 その他特段の事情により株式等を保有する必要がある場合
2 前項の規定は、未公開株式を公開前に有償譲渡することを妨げない。
(議決権の行使)
第8条 大学発ベンチャー企業から取得した株式を保有している間は、原則として、当該大学発ベンチャー企業の株主総会において、議決権を行使しないものとする。ただし、議決権を行使しないことにより、当該大学発ベンチャー企業の経営に著しい悪影響を与える可能性があると考えられる場合に限り、学長が議決権を行使するものとする。
(新株予約権の行使)
第9条 第5条の規定により新株予約権を取得した場合において、当該新株予約権の行使が可能となったときは、速やかに当該新株予約権を行使し株式を取得するものとする。
2 前項の規定により当該新株予約権を行使する場合には、当該大学発ベンチャー企業との新株予約権割当に関する契約書の内容を遵守しなければならない。
3 前2項の規定は、新株予約権を行使前に有償譲渡することを妨げない。
4 新株予約権の権利の変更又は処分(放棄を含む。)等を大学発ベンチャー企業から求められた場合は、研究推進機構会議が審査し、機構長の承認を得た上で適切に対応するものとする。
(インサイダー取引の防止)
第10条 学長は、本学が所有する株式等を売却するときは、当該売却がインサイダー取引に該当しないことを確認するものとする。
(補償金の配分)
第11条 収益を伴う事業の対価として株式等を取得した場合における職務発明等規則第10条第2項に規定する補償金及び有体物規程第8条第1項に規定する収入の分配については、株式等を取得した後、その株式等を換金し収入を得た場合に支払うものとする。
(その他)
第12条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。
附則
この規程は、令和7年4月1日から施行する。