○国立大学法人福島大学安全保障輸出管理規程
平成29年3月27日
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、国立大学法人福島大学(以下「本学」という。)の学術研究の健全な発展に配慮しつつ、本学の安全保障輸出管理(以下「輸出管理」という。)を適切に実施するために必要な事項を定め、もって国際的な平和及び安全の維持に寄与することを目的とする。
一 「部局」とは、次に掲げるものをいう。
イ 福島大学学則(昭和24年6月1日)第2条第2項、第4項及び第5項に規定する各学類、第3条の2に規定する各機構、第4条に規定する附属図書館、第4条の2に規定する各センター、第4条の3に規定する研究所、第5条に規定する各附属学校園、第6条に規定する事務局及び福島大学大学院学則(昭和51年5月25日)第3条に規定する各研究科をいう。
ロ イに定めるもののほか、外部資金の目的を遂行するために設置されたプロジェクト等を含めることができる。
二 「外為法等」とは、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号、以下「外為法」という。)及びこれに基づく輸出管理関連の政令、省令、通達等をいう。
三 「リスト規制技術」とは、外国為替令(昭和55年政令第260号)別表(以下、「外為令別表」という。)の1の項から15の項までに定める技術をいう。
四 「リスト規制貨物」とは、輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)別表第1(以下、「輸出令別1」という。)の1の項から15の項までに定める貨物をいう。
五 「キャッチオール規制」とは、外為令別表の16の項に定める技術及び輸出令別1の16の項に定める貨物が、大量破壊兵器又は通常兵器の開発等に用いられるおそれのある場合に、経済産業大臣に許可申請を行うことをいう。
六 「技術の提供」とは、次に掲げる行為をいう。
イ 外国(外為法第6条第1項第2号に定める地域をいう。以下同じ。)における技術の提供若しくは外国に向けて行う技術の提供又はそれらを目的とした国内における技術の提供(技術を記載若しくは記録した文書若しくは記録媒体を外国へ送付し、又は技術を電気通信により外国に向けて発信する行為を含む。)を行うこと。
ロ 非居住者(外為法第6条第1項第6号に規定する非居住者をいう。以下同じ。)若しくは特定類型該当者への技術の提供又は非居住者若しくは特定類型該当者へ再提供することが明らかな居住者への技術の提供を行うこと。
七 「貨物の輸出」とは、外国への貨物の送付(自ら手荷物として海外に持ち出す場合を含む。)、又は外国へ送付されることが明確な貨物を国内で送付することをいう。
八 「取引」とは、技術の提供又は貨物の輸出をいう。
九 「需要者等」とは、技術を提供しようとする相手方若しくは利用する者又は貨物の輸入者若しくは需要者又はこれらの代理人をいう。「相手先」ともいう。
十 「該非判定」とは、提供しようとする技術又は輸出しようとする貨物が、リスト規制技術又はリスト規制貨物に該当するか否かを判定することをいう。
十一 「取引審査」とは、提供しようとする技術又は輸出しようとする貨物の該非判定の内容のほか、用途及び需要者等を確認し、本学として当該取引を行うかを判断することをいう。
十二 「提供先・国」とは、需要者等の所属している国をいう。貨物の輸出の場合には仕向地ともいう。
十三 「大量破壊兵器等」とは、核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤、若しくはこれらの散布のための装置、又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機をいう。
十四 「通常兵器」とは、大量破壊兵器等以外の輸出令別1の1の項に該当する貨物をいう。
十五 「大量破壊兵器等の開発等」とは、大量破壊兵器等の開発、製造、使用又は貯蔵をいう。
十六 「通常兵器の開発等」とは、通常兵器の開発、製造又は使用をいう。
十七 「教職員等」とは、本学の役員及び職員、その他本学が雇用するすべての者をいう。
十八 「公知の技術」とは、書籍、インターネット上のファイル、学会誌、公開シンポジウムの議事録等、講演会、展示会等において、不特定多数の者に対して公開されている又は不特定多数の者が入手可能な技術をいう。
十九 「技術の公知化」とは、学会発表用の原稿又は展示会等での配布資料の送付、雑誌への投稿、インターネット上のサイト等への投稿等、当該技術を不特定多数の者が入手又は閲覧可能とすることをいう。
二十 「居住者」とは、外国為替法令の解釈及び運用について(蔵国第4672号昭和55年11月29日)6-1-5、6(居住性の判定基準)に従い、居住者として取り扱うこととされる自然人及び法人をいう。
二十一 「特定類型該当者」とは、外為法第25条第1項及び外国為替令第17条第2項の規定に基づき許可を要する技術を提供する取引又は行為について(4貿局第492号)1(3)サ①から③までに掲げる者(自然人である居住者に限る。)をいう。
(適用範囲)
第3条 この規程は、教職員等が本学における教育、研究その他の活動として行う技術の提供及び貨物の輸出に適用する。
(基本方針)
第4条 本学における輸出管理の基本方針は、次に掲げるとおりとする。
一 国際的な平和及び安全の維持を妨げるおそれがあると判断される取引は行わないこと。
二 技術の提供及び貨物の輸出に当たっては、外為法等及び本規程(本規程により別に定めるものを含む。)を遵守すること。
三 輸出管理を適切に実施するため、輸出管理の責任者を定めるとともに、輸出管理に係る体制の整備及び充実を図ること。
第2章 管理体制
(最高責任者)
第5条 本学に、輸出管理上の重要事項の最終的な決定を行うため、最高責任者を置き、学長をもって充てる。
(輸出管理統括責任者)
第6条 本学に、最高責任者の命を受け輸出管理に係る業務を統括させるため、輸出管理統括責任者(以下「統括責任者」という。)を置き、学長が指名する理事又は副学長をもって充てる。
2 統括責任者は、以下の業務を行う。
一 輸出管理の基本方針及び基本施策に関すること。
二 該非判定及び取引審査(二次審査)及び承認に関すること。
三 輸出管理業務の統括及び各部局への徹底事項の指示、連絡、要請等に関すること。
四 経済産業省への輸出管理に係る相談及び許可申請に関すること。
(輸出管理責任者)
第7条 本学に、輸出管理に係る業務を掌理させるため、輸出管理責任者(以下「管理責任者」という。)を置き、統括責任者が指名する者をもって充てる。
2 管理責任者は、統括責任者の指示の下に、以下の業務を行う。
一 該非判定及び取引審査(一次審査)に関すること。
二 輸出管理業務の推進に関すること。
三 その他輸出管理に関すること。
(輸出管理アドバイザー)
第8条 統括責任者は、輸出管理を円滑に実施するための専門的な知識及び経験を有する、輸出管理アドバイザーを置くことができる。
(輸出管理委員会)
第9条 国立大学法人福島大学研究推進機構規則(平成17年5月10日制定)第5条第2項の規定に基づき、輸出管理に関する業務の実施、教職員等からの相談及び通報への対応に当たるため、輸出管理委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、輸出管理に関する次の業務を行う。
一 この規程の改廃案の作成に関すること。
二 教職員等に対する研修・啓発活動に関すること。
三 監査の実施に関すること。
四 該非判定、例外適用及び取引審査の審議に関すること。
五 その他輸出管理に関する重要事項に関すること。
3 委員会は、次の各号に掲げる者をもって組織し、委員長は統括責任者とする。
一 統括責任者
二 管理責任者
三 委員長が指名する者
四 その他委員長が必要と認めた者
第3章 手続
2 教職員等は、審査票の起票を要することが明らかな場合は、本事前確認シートによる事前確認を省略することができる。
3 第1項の規定により、審査票の起票が不要であることが確認できた場合には、教職員等は管理責任者による事前確認シートの承認を受けなければならない。ただし、技術の提供であって、公知の技術の提供又は公知化のための技術の提供である場合には、当該教職員等の所属する部局の長が承認の上、事前確認シートの写しを管理責任者に提出するものとする。
(該非判定)
第11条 教職員等は、当該技術又は貨物がリスト規制技術又はリスト規制貨物に該当するか否かについて、技術又は貨物の区分に応じ次の各号により該非判定を行わなければならない。ただし、技術の提供であって、公知の技術の提供、又は公知化するための技術の提供である場合には、該非判定の手続を省略することができる。
一 本学で研究・開発した技術の提供又は貨物の輸出の場合 必要な技術資料を整備し、最新の外為法等に基づく該非判定
二 本学外から入手した技術の提供又は貨物の輸出の場合 入手先からの該非判定書等を用いた最新の外為法等に基づく該非判定
2 教職員等は、管理責任者に前項に規定する該非判定に関する支援を求めることができるものとする。
3 管理責任者は該非判定内容を審査し、委員会の議を経て、統括責任者が最終決定を行う。ただし、審査票の起票が不要であり、事前確認シートの承認のみで、技術の提供又は貨物の輸出が行える場合には、管理責任者が該非判定の最終決定を行うことができる。
(用途確認)
第12条 教職員等は、当該技術又は貨物の用途について大量破壊兵器等若しくは通常兵器の開発等に用いられる又はその恐れがあるかを、別途定める用途要件チェックリストを用いて確認するものとする。この場合において、用途要件チェックリストで一つでも「はい」があった場合には、第14条で定める取引審査を受けなければならない。
(需要者等確認)
第13条 教職員等は、当該技術又は貨物の需要者等について次の各号に掲げる事項に該当するか否かを、別途定める需要者要件チェックリストに基づいて確認する。
一 経済産業省作成の外国ユーザーリストに掲載されている。
二 大量破壊兵器等又は通常兵器の開発等を行う又は行ったことが入手した資料等に記載されている又はその情報がある。
三 提供ルート内関係者の存在・身元に不審な点がある。
四 軍若しくは軍関係機関又はこれらに類する機関、又はこれらの所属者である。
(取引審査)
第14条 教職員等は、次の各号のいずれかに該当する技術の提供又は貨物の輸出を行う場合は、別途定める審査票を起票して、管理責任者による取引審査(以下「一次審査」という。)及び統括責任者による取引審査(以下「二次審査」という。)を受けなければならない。
一 第11条に規定する該非判定の結果、当該技術が外為令別表の1の項から15の項に該当する場合、又は当該貨物が輸出令別1の1の項から15の項に該当する場合
二 第12条に規定する用途確認の結果、用途に懸念のある場合
四 経済産業大臣から許可申請をすべき旨通知を受けた場合
六 提供先・国が別途定める懸念国向けの場合
七 用途が軍関連の場合
2 教職員等は、審査票を起票するに当たり、提供先・国、技術・貨物の名称、該非判定結果、需要者等及び用途等を事実に即して正確に記載し、審査に必要な書類を添付するものとする。
3 統括責任者は、一次審査及び二次審査の結果を踏まえ、当該技術の提供又は貨物の輸出の可否を決定するものとする。
4 教職員等は、当該技術の提供又は貨物の輸出を行う場合は、統括責任者の承認を受けなければならず、統括責任者の承認を得ることなく、当該技術の提供又は貨物の輸出を進めてはならない。
5 統括責任者は、前項の規定に基づく当該技術の提供又は貨物の輸出の可否を当該教職員等に通知するものとする。
6 教職員等は、取引審査の結果、承認が得られた取引において、提供しようとする技術若しくは輸出しようとする貨物の仕様に変更が生じた場合又は提供しようとする技術若しくは輸出しようとする貨物に追加が生じた場合は、改めて第10条に規定する事前確認を行うものとする。
(外為法等に基づく許可の申請等)
第15条 統括責任者は、前条に規定する取引審査の結果、外為法等に基づく経済産業大臣の許可を受けなければならない技術の提供又は貨物の輸出であった場合は、所定の申請書及び添付書類を作成し、経済産業大臣に対して許可申請を行うものとする。
2 許可申請の際に提出する書類は、事実に基づき正確に記載しなければならない。
3 技術の提供又は貨物の輸出を行う教職員等は、外為法等に基づく許可が必要な技術の提供又は貨物の輸出については、経済産業大臣の許可を得ない限り当該技術の提供又は貨物の輸出を行ってはならない。
2 教職員等は、外為法等に基づく許可を受けなければならない技術の提供の場合には、前項に規定する確認に加え、当該技術の提供が経済産業大臣の許可を得ていることを確認しなければならない。
3 教職員等は、審査票を起票した技術を提供する場合には、審査票の提供・出荷確認欄に記入・押印後、当該教職員の所属する部局を経て管理責任者に当該審査票を送付しなければならない。この場合において管理責任者は、適切に輸出管理が完了して技術が提供されることを確認するものとする。
4 教職員等は、第1項の確認ができない場合は、直ちに当該技術の提供を取り止めて、管理責任者を経由して統括責任者へ報告しなければならない。
2 教職員等は、外為法等の許可が必要な貨物の輸出の場合には、前項に規定する確認に加え、当該貨物の輸出が経済産業大臣の許可を得ていることを確認しなければならない。
3 教職員等は、審査票を起票した貨物の輸出の場合には、審査票の提供・出荷確認欄に記入・押印後、関係部局を経て管理責任者に当該審査票を送付しなければならない。この場合において管理責任者は、適切に輸出管理が完了して出荷されることを確認するものとする。
4 教職員等は、第1項の確認ができない場合は、直ちに当該貨物の輸出を取り止めて、管理責任者を経由して統括責任者へ報告しなければならない。
5 教職員等は、通関時に事故が発生した場合は、直ちに輸出手続を取り止めて管理責任者へ報告しなければならない。管理責任者は、統括責任者と協議して適切な措置を講じるものとする。
第4章 監査
(監査)
第18条 委員会は、本学の輸出管理がこの規程に基づき適正に実施されていることを確認するため、監査を定期的に行うものとする。
第5章 教育
(教育)
第19条 委員会は、外為法等及びこの規程の遵守の重要性を理解させ、確実な実施を図るため、教職員等に対し、計画的に教育を行うものとする。
第6章 管理
(文書管理又は記録媒体の保存)
第20条 技術の提供又は貨物の輸出に係る文書又は記録媒体は、技術が提供された日又は貨物が輸出された日から起算して、7年間保存しなければならない。
第7章 違反への対応
(報告)
第21条 教職員等は、外為法等又はこの規程に対する違反の事実を知った場合又は違反のおそれがある場合には、その旨を統括責任者に速やかに報告しなければならない。
2 統括責任者は、前項の報告の内容を調査し、外為法等に違反したとき、又は違反したおそれのあることが判明したときには、最高責任者に報告しなければならない。最高責任者は、本学内の関係部局に対応措置を指示するとともに、遅滞なく行政庁に報告しなければならない。また最高責任者は、その再発防止のために必要な措置を講じるものとする。
(罰則)
第22条 教職員等が故意または重大な過失により外為法等及びこの規程に違反した場合には、本学の定める就業規則に基づき懲戒処分の対象とするものとする。
第8章 雑則
(事務の所管)
第23条 この規程に関する事務処理は、関係部局及び関係課室の協力を得て、研究・地域連携課が行う。
(雑則)
第24条 この規程に定めるもののほか、輸出管理に関し必要な事項は別に定める。
附則
この規程は、平成29年4月1日から施行する。
附則
この規程は、平成31年4月1日から施行する。
附則
この規程は、令和4年4月1日から施行する。
附則
この規程は、令和5年1月23日から施行する。
附則
この規程は、令和6年4月1日から施行する。