○福島大学遺伝子組換え実験安全管理規程

平成17年10月4日

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)、研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令(平成16年文部科学省・環境省令第1号)及びその他の関係法令等(以下「法律等」という。)に基づき、福島大学(以下「本学」という。)における遺伝子組換え実験(以下「実験」という。)の計画及び実験に関し必要な事項を定め、もって実験の安全かつ適切な実施を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において「部局」とは、福島大学学則(昭和24年6月1日制定)第2条第2項、第4項及び第5項に規定する各学類、第3条の2に規定する各機構、第4条に規定する附属図書館、第4条の2に規定する各センター、第4条の3に規定する研究所及び第6条に規定する事務局をいい、「部局長」とは、それぞれの部局の長をいう。

2 前項に定める「部局」には、外部資金の目的を遂行するために設置されたプロジェクト等を含むものとする。

3 この規程における専門用語の定義については、法律等の定めるところによる。

(学長等の責務)

第3条 学長は、本学において行われる実験の計画及び実施並びにその安全確保に関する業務を総括する。

2 学長が指名した理事又は副学長は、前項に規定する学長の職務を補佐する。

3 部局長は、法律等及びこの規程の定めるところにより、当該部局において行う実験の安全確保に関し必要な措置を講じなければならない。

第2章 安全委員会

(設置)

第4条 国立大学法人福島大学研究推進機構規則(平成17年5月10日制定)第5条第2項の規定に基づき、実験の安全かつ適切な実施を確保するため、福島大学遺伝子組換え実験安全委員会(以下「委員会」という。)を置く。

(任務)

第5条 委員会は、学長の諮問に応じて次の各号に掲げる事項について調査・審議するものとする。

 実験に関する規程等の制定及び改廃に関すること。

 実験の計画と法律等及びこの規程に対する適合性に関すること。

 実験に係る教育訓練及び健康管理に関すること。

 事故発生の際の必要な処置及び改善に関すること。

 その他実験の安全確保に関する必要な事項の処理に関すること。

2 委員会は、必要があると認めるときは、前項各号に掲げる事項に関し、学長に対し、助言又は勧告することができる。

3 委員会は、必要に応じて第8条に規定する安全主任者及び第9条に規定する実験責任者に対し、実験の安全管理に関する報告を求めることができるものとする。

(組織)

第6条 委員会は、次の各号に掲げる委員をもって組織する。

 教員のうち学長が指定した者

 共生システム理工学類の安全主任者

 食農学類の安全主任者

 実験に関係する共生システム理工学類の教員 若干人

 実験に関係する食農学類の教員 若干人

 産業医 1人

 研究・地域連携課長

 人事課長

 その他学長が必要と認めた者

2 前項の委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、欠員が生じた場合の後任の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 委員会に委員長を置き、第1項第1号の委員をもって充てる。

4 委員長は、必要に応じて委員会を招集し、その議長となる。ただし、委員長に事故があるとき、又は委員長が実験責任者となるときは、あらかじめ委員長が指名する委員がその職務を代行する。

5 委員会は、委員の過半数の出席がなければ議事を開くことができない。

6 委員会の議決は、出席者の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

7 委員会が必要と認めるときは、委員以外の者の出席を求め、その意見を聞くことができる。

(事務)

第7条 委員会に関する事務は、研究・地域連携課において処理する。

第3章 安全主任者等

(安全主任者)

第8条 本学に、実験の安全確保に関し学長を補佐するため、実験を実施する各部局に安全主任者1人を置く。

2 安全主任者は、法律等及びこの規程を熟知するとともに、生物災害に関する知識及び技術を高度に習熟した本学の教員のうちから、学長が任命する。

3 学長は、安全主任者が疾病その他事故によりその職務を行うことができない場合には、代理者を任命しその職務を代行させるものとする。

4 安全主任者の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、欠員が生じた場合の後任の安全主任者の任期は前任者の残任期間とする。

5 安全主任者は、委員会と十分連絡をとり、次の各号に掲げる任務を行うとともに必要な事項について委員会に報告するものとする。

 実験が法律等及びこの規程に従って適正に遂行されていることを確認すること。

 実験の安全確保に関し、部局長及び次条に規定する実験責任者に対し指導助言を行うこと。

 その他実験の安全確保に関する必要な事項の処理に当たること。

(実験責任者)

第9条 実験を実施しようとするときは、実験の計画ごとに実験従事者のうちから実験責任者を定めなければならない。

2 実験責任者は、法律等及びこの規程を熟知するとともに、生物災害の発生を防止するための知識及び技術並びにこれらを含む関連の知識及び技術を習熟した者でなければならない。

3 実験責任者は、次の各号に掲げる任務を行うものとする。

 実験の計画の立案及び実施に際しては、法律等及びこの規程を十分に遵守し、安全主任者との緊密な連絡の下に、実験全体の適切な管理・監督に当たること。

 実験従事者に対して、第19条に規定する教育訓練を行うこと。

 実験の計画書又は当該計画の変更届書を学長に申請し、その承認を受けること。

 その他実験の安全確保に関して必要な事項を実施すること。

4 実験責任者は、実験従事者から次条第3項の規定により報告を受けたときは、速やかに部局長を経由して学長に報告しなければならない。

(実験従事者)

第10条 実験従事者は、実験の計画及び実施に当たっては、第19条に規定する教育訓練を受け、安全確保について十分自覚し、安全主任者及び実験責任者の指示に従うとともに、法律等及びこの規程を遵守し、安全の確保に努めなければならない。

2 実験従事者は、あらかじめ標準的な実験方法並びに実験に特有な操作方法及び関連する技術に精通し、習熟していなければならない。

3 実験従事者は絶えず自己の健康について注意を払うとともに、次の各号に該当するに至った場合には、速やかに実験責任者に報告しなければならない。

 身体に変調をきたした場合

 重症又は長期にわたる病気にかかった場合

第4章 実験の計画の審査等

(実験の計画の申請手続及び審査基準)

第11条 実験責任者は、実験の計画を、別に定める申請書により部局長を経由して学長に申請し、その承認を得なければならない。承認を受けた実験の計画を変更しようとする場合も同様とする。

2 前項に規定する実験計画の実施期間は、実験開始日から5年を限度とし、5年を超えて実施する場合は、改めて申請するものとする。

3 学長は、第1項の申請があったときは、委員会の審査を経て、その実験の計画を承認するか否かの決定を行うものとする。この場合において、学長は、文部科学大臣の確認を必要とする実験の計画については、あらかじめ、その確認を得るものとする。

4 委員会は、法律等に定める拡散防止措置に関する基準に対する適合性及び実験従事者等の訓練経験の程度等に基づき、前項の審査をするものとする。

第5章 実験の安全確保のための措置

(実験の安全確保等)

第12条 実験責任者は、実験の安全並びに実験施設の管理及び保全の状態等の点検を行わなければならない。

2 実験責任者は、前項の場合において、異常を認めたときは、必要な措置を講ずるとともに、部局長を経由して学長に報告するものとする。

(実験施設への立入り)

第13条 安全主任者、実験責任者及び実験従事者以外の者は、実験室又は実験区域(以下「実験室等」という。)に立ち入つてはならない。ただし、実験責任者の許可を得て一時的に立ち入る場合はこの限りでない。

(実験に係る標示)

第14条 実験責任者は、実験室等の入口に、当該実験の拡散防止措置のレベルを標示しなければならない。また、遺伝子組換え生物等を保存する冷蔵庫、冷凍庫等についても同様とする。

(実験の記録及びその保存)

第15条 実験責任者は、実験に使用した核酸供与体の種類、宿主、ベクター、遺伝子組換え生物等及び実験を行った期間に関する記録(以下「実験記録」という。)を作成し、保存しなければならない。

2 実験責任者は、前項にかかる書類を実験終了後又は中止後5年間保存するものとする。

(遺伝子組換え生物等を含む試料及び廃棄物の取扱い並びに保管等)

第16条 実験責任者は、実験従事者に対し、実験開始前及び実験中において、常に実験に用いられる核酸供与体の種類、宿主及びベクターが、拡散防止措置の条件を満たすものであることを厳重に確認させなければならない。

2 実験責任者は、遺伝子組換え生物等を含む試料及び廃棄物の保管について、その記録を作成し、保存しなければならない。ただし、P2レベル、LS1レベル、P2Aレベル及びP2Pレベル以下の拡散防止措置を必要とする遺伝子組換え生物等を含む試料及び廃棄物の記録は、実験記録をもって代えることができる。

3 実験責任者は、遺伝子組換え生物等を含む試料及び廃棄物を運搬する場合には、その都度、遺伝子組換え生物等の名称、数量並びに運搬先の機関名及び責任者名を記録し、保存しなければならない。ただし、P2レベル、LS1レベル、P2Aレベル及びP2Pレベル以下の拡散防止措置を必要とする遺伝子組換え生物等の記録は、実験記録をもって代えることができる。

4 前3項に規定するもののほか、実験責任者及び実験従事者は、遺伝子組換え生物等を含む試料及び廃棄物の取扱いに当たっては、省令に定められた拡散防止措置を遵守しなければならない。

(実験の終了等報告)

第17条 実験責任者は、実験を終了、中止、一時中断又は再開したときは、別に定める様式により、申請書の写しを添えて部局長を経由して学長に報告しなければならない。

(教育目的実験)

第18条 遺伝子組換え技術に関する基礎的な理解、関心向上等を目的とする教育目的実験を実施するときは、別に定める様式により、所属長を経由して学長に届け出なければならない。

第6章 教育訓練及び健康管理

(教育訓練)

第19条 部局長及び実験責任者は、実験開始前に実験従事者に対して法律等及びこの規程を熟知させるともに、次の各号に掲げる教育訓練を行わなければならない。

 危険度に応じた遺伝子組換え生物等安全取扱い技術

 拡散防止措置に関する知識及び技術

 実施しようとする実験の危険度に関する知識

 事故発生の場合の措置に関する知識(大量培養においては、遺伝子組換え生物等を含む培養液が漏出した場合の化学的処理による殺菌等)

(健康管理)

第20条 学長は、実験責任者及び実験従事者に対し、必要な健康管理を行うものとする。

2 実験の開始前及び開始後1年を超えない期間ごとに健康診断を行わなければならない。この場合、職員については、国立大学法人福島大学職員労働安全衛生管理規程(平成16年4月1日制定)による一般定期健康診断をもってこれに代えることとする。

3 職員以外の者に係る前項の措置については、職員に準じて行うものとする。

4 実験責任者は、人に対する病原微生物を取り扱う場合においては、実験開始前に感染の予防治療等の方策について検討し、部局長を経由して学長に報告するものとする。この場合において、学長は、委員会の議を経て、必要に応じ実験責任者に抗生物質、ワクチン、血清等を準備させなければならない。

5 前項による人に対する病原微生物を取り扱う場合は、実験開始後6ヶ月を超えない期間ごとに特別健康診断を実施するものとする。

6 学長は、健康診断の結果を記録し、これを保存しなければならない。

(健康確保のための措置)

第21条 学長は、実験従事者が次の各号に該当するときは、直ちに事実の調査を行うとともに、必要な措置を講ずるものとする。

 遺伝子組換え生物等を誤って飲み込んだとき、又は吸い込んだとき。

 遺伝子組換え生物等により皮膚が汚染されたとき。

 遺伝子組換え生物等により実験室内、実験区域内、飼育区画内又は特定網室内が著しく汚染された場合に、その場に居合わせたとき。

 第10条第3項の規定により報告を受けたとき。

2 学長は、実験室内、実験区域内、飼育区画内又は特定網室内における感染の恐れがある場合は、直ちに健康診断を行い、適切な措置をとるものとする。

第7章 譲渡等に係る情報の提供

(譲渡等に係る情報の提供)

第22条 遺伝子組換え生物等を譲渡し若しくは提供し又は委託(以下「譲渡等」という。)して使用等をさせようとする者(以下「譲渡者等」という。)は、次の各号に掲げる場合を除き、譲渡等の都度、第3項に規定する情報等を提供しなければならない。なお、譲渡等にあたっては、別に定める様式により部局長を経由して学長に申請し、その承認を得るものとする。遺伝子組換え生物等を譲り受け若しくは提供を受け又は受託して実験を行う者(以下「譲受者等」という。)も同様とする。

 遺伝子組換え生物等を委託して運搬をさせようとする場合

 譲渡者等の遺伝子組換え生物等の第二種使用等が、虚偽の情報の提供を受けていたために、第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置を執らずにされている場合

 特定遺伝子組換え生物等の譲渡等をする場合

2 前項の規定にかかわらず、同一の情報を提供すべき遺伝子組換え生物等の譲受者等に対し、2回以上にわたって当該遺伝子組換え生物等の譲渡等をする場合において、当該譲受者等が承知しているときは、その最初の譲渡等に際してのみ情報の提供を行うものとする。

3 提供する情報等の内容は、次の各号に掲げる事項とする。

 遺伝子組換え生物等の第二種使用等をしている旨

 宿主等の名称及び組換え核酸の名称(名称がない又は不明である場合はその旨)

 大学の名称・住所及び実験責任者等の氏名・連絡先

 その他必要な事項

4 情報を提供する方法は、次の各号のいずれかによるものとする。

 文書の交付

 遺伝子組換え生物等又はその包装若しくは容器への表示

 FAX

 電子メール

第8章 緊急事態発生時の措置

(緊急事態発生時の措置)

第23条 実験施設において、次の各号の一に掲げる事態を発見した者は、直ちにその旨を実験責任者に通報しなければならない。

 事故、地震、火災その他の災害により、遺伝子組換え生物等によって実験施設が著しく汚染され、若しくは汚染のおそれがある場合又は遺伝子組換え生物等が実験施設から漏出し、若しくは漏出するおそれがある場合

 遺伝子組換え生物等によって人体が汚染され、又は汚染されるおそれがある場合

2 前項の通報を受けた実験責任者は、直ちに実験施設の使用禁止又は立ち入り禁止等の応急の措置を講ずるとともに、その旨を部局長及び安全主任者に報告しなければならない。

3 前項の報告を受けた部局長及び安全主任者は、直ちに必要な措置を講ずるとともに、部局長にあっては、事故又は災害の状況及び講じた措置を速やかに学長に報告しなければならない。

(文部科学大臣への報告)

第24条 学長は、外部の環境等に影響を及ぼすおそれのある事故の報告があった場合は、直ちにその事故の状況及び執った措置の概要を文部科学大臣に報告しなければならない。

第9章 雑則

(適用)

第25条 この規程は、学生、院生及び研究員等についても適用する。

(雑則)

第26条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に関し必要な事項は、委員会の議を経て、学長が定める。

この規程は、平成17年10月4日から施行する。

この規程は、平成18年2月28日から施行し、平成17年10月4日から適用する。

この規程は、平成19年4月1日から施行する。

この規程は、平成20年4月1日から施行する。

この規程は、平成22年4月1日から施行する。

この規程は、平成24年4月1日から施行する。

この規程は、平成25年9月3日から施行し、平成25年7月1日から適用する。

この規程は、平成26年10月1日から施行する。

この規程は、平成27年4月1日から施行する。

この規程は、平成28年4月1日から施行する。

この規程は、平成31年4月1日から施行する。

この規程は、令和3年4月1日から施行する。

この規程は、令和4年4月1日から施行する。

この規程は、令和6年4月1日から施行する。

福島大学遺伝子組換え実験安全管理規程

平成17年10月4日 種別なし

(令和6年4月1日施行)

体系情報
福島大学規則集/第7編 研究協力
沿革情報
平成17年10月4日 種別なし
平成18年2月28日 種別なし
平成19年3月30日 種別なし
平成20年3月18日 種別なし
平成22年3月31日 種別なし
平成24年3月13日 種別なし
平成25年9月3日 種別なし
平成26年9月16日 種別なし
平成27年3月27日 種別なし
平成28年3月30日 種別なし
平成31年3月19日 種別なし
令和3年1月18日 種別なし
令和4年3月22日 種別なし
令和6年3月26日 種別なし