○福島大学学生の懲戒に関する規程

平成30年3月6日

(趣旨)

第1条 この規程は、福島大学学則(昭和28年12月10日制定)第44条(福島大学大学院学則(昭和51年5月25日制定)第36条において準用する場合を含む。)に規定する学生の懲戒について、必要な事項を定める。

(基本的な考え方)

第2条 懲戒は、懲戒対象行為の態様、結果、影響等を総合的に検討し、教育的配慮を加えた上で行われなければならない。

2 学生に課せられる不利益は、懲戒目的を達成するために必要な限度にとどめなければならない。

(懲戒の対象行為)

第3条 学長は、次の各号の一に該当する行為を行った学生に対して懲戒を行う。

 犯罪行為及びその他の違法行為

 交通法規に違反する重大な行為

 情報倫理に反する行為

 ハラスメント等の人権を侵害する行為

 正規試験における不正行為

 論文等の作成における学問的倫理に反する行為

 本学の学則その他規程等に違反する行為

 本学の教育研究等の業務を妨害する行為

 本学の名誉又は信用を著しく傷つける行為

 その他学生としての本分に反する行為

(懲戒の種類)

第4条 懲戒の内容は、次のとおりとする。

 退学 在学資格の剥奪

 停学 一定の期間における学生の正課の受講、正規試験の受験(レポート、実技試験を含む)、課外活動及び大学施設利用の禁止

 訓告 文書による注意

2 前項第1号に規定する懲戒処分を受けた者は、再入学することができない。

3 停学の期間は無期又は有期とする。この場合において、無期の停学とは期限を付さずに命じる停学を、有期の停学とは、6ヵ月以内の期限を付して命ずる停学をいう。

4 無期停学は、原則として6ヵ月経過した後でなければ解除することができない。

5 停学の期間は、在学期間に含め、修業年限に含まないものとする。ただし、1ヵ月を超えない場合には、修業年限に含めることができる。

(その他の教育的措置)

第5条 学類長、研究科長及び現代教養コース運営委員会委員長(以下「学類長等」という。)は、前条に規定する懲戒のほか、教育的措置として口頭による厳重注意を行うことができる。

(懲戒の量定)

第6条 懲戒処分の量定は、別表に定める懲戒処分の標準例(以下「標準例」という。)に準拠し、次に掲げる事項を基礎に、行為者の状態等並びに行為の悪質性及び重大性を総合的に判断して行う。

 懲戒対象行為の動機、態様及び結果

 故意又は過失の別及びその程度

 過去の懲戒対象行為の有無

 日常における生活態度及び懲戒対象行為後の対応

2 懲戒処分の量定に当たっては、個々の事案の事情に即し、標準例に定める処分を加重軽減することがある。

3 標準例に掲げられていない行為についても、標準例に照らして判断し、相当の懲戒処分を行うことがある。

(悪質性及び重大性の判断)

第7条 悪質性及び重大性の判断は、次のとおりとする。

 悪質性については、当該行為を行った学生(以下「当該学生」という。)の主観的態様、当該行為の性質、当該行為に至る動機等により判断する。

 重大性については、当該行為により被害を受けた者の精神的被害を含めた被害の程度、当該行為が社会に及ぼした影響等により判断する。

(事実の調査等)

第8条 懲戒の対象となり得る行為を行った学生が所属する学類長等は、当該行為を認知した場合は、直ちに副学長のうち学長が指名した者(以下「副学長」という。)に報告するとともに、速やかに当該行為の事実調査等のため学生懲戒調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置し調査を命じなければならない。

2 調査委員会は、学類長等、学生生活委員会委員の他、学類長等が指名する者で構成する。ただし、懲戒の対象となり得る行為を行った学生が複数の学類等に在籍する場合は、当該学類等が合同で調査委員会を組織する。

3 調査委員会は、当該学生から事情聴取を行うなどの方法により、事実の全容を詳細に把握するように努めなければならない。

4 前3項の規定にかかわらず、本学の他の規程等に当該行為の事実関係の調査等について別段の定めがある場合は、その定めによる。

(弁明の機会の付与)

第9条 調査委員会は、前条第3項に規定する事情聴取を行うに当たっては、当該学生にその旨を告知するとともに口頭又は文書による弁明の機会を与えなければならない。

2 当該学生は、弁明の際、付添人(当該学生の権利を保護するため、この者を保護する者をいう。)に立会いを求めることができる。

3 弁明の機会を与えた場合に、正当な理由なく当該学生が欠席し又は弁明書を提出しなかったときは、この権利を放棄したものとみなす。

(調査の報告)

第10条 調査委員会は、事情聴取等に基づき、懲戒の要否、種類及び量定に関する処分案を作成し、教員会議等(懲戒の対象となり得る行為を行った学生に関連する学類教員会議、研究科委員会、または現代教養コース運営委員会をいう。以下同じ。)で審議しなければならない。

2 学類長等は、前項の審議結果を学長に報告しなければならない。

(自宅謹慎)

第11条 学類長等は、当該事案が第4条第1項第1号に定める退学又は第2号に定める停学に該当することが明白であると認めるときは、懲戒処分の決定前に、当該学生に対して自宅謹慎を命ずることができる。

2 自宅謹慎の期間は、停学の期間に算入できる。

(懲戒処分の決定)

第12条 学長は、第10条第2項の報告に基づき、懲戒の要否及び処分の内容を決定しなければならない。

(逮捕・勾留時の取扱い)

第13条 学生が逮捕・勾留され、学生からの事情聴取を行うことができない場合においては、事情聴取及び弁明の機会が付与されないことにより学生の権利を損なうことがないよう十分に配慮した上で懲戒等を行うことができる。

(懲戒処分の通知)

第14条 学長が懲戒を決定したときは、当該学生の氏名、懲戒の内容、処分理由、処分日を記載した通知書を当該学生に交付しなければならない。

2 学長が懲戒処分を行ったときは、懲戒処分を受ける学生の保証人に、その旨を通知しなければならない。

(懲戒処分の効力)

第15条 懲戒処分の効力は、懲戒処分書を交付したときから発生する。ただし、特別な事情がある場合は、この限りではない。

(懲戒処分の公示)

第16条 学長が懲戒処分を行ったときは、懲戒の内容及びその事由を文書により学内に公示する。この場合、当該学生の氏名及び学籍番号は明記しない。

2 前項に規定する公示の期間は1週間とする。

(不服申立て)

第17条 懲戒処分を受けた学生は、事実誤認、新事実の発見その他正当な理由があるときは、その証拠となる資料を添えて、懲戒処分書を交付された日から起算して60日以内に、学長に対して、不服申立てをすることができる。

2 不服申立があった場合において、学長は、明らかに不服申立てを求める理由がない場合を除き、当該学類長等に対し速やかに再調査を命じなければならない。

3 不服申立があった場合において、学長は、明らかに不服申立てを求める理由がない場合には、速やかにその旨を文書により当該学生に通知しなければならない。

4 学長は、第2項の再調査の結果について、速やかに文書により当該学生に通知しなければならない。

5 第2項の再調査の結果、第12条による懲戒処分の決定内容と異なる決定をしたときは、学長は再度、第14条及び前条に定める手続を行わなければならない。

6 不服申立てにより、懲戒処分の効力は妨げられない。ただし、不服申立てにより懲戒処分の内容を変更したときは、既に行った懲戒処分を取り消す等必要な措置を講じなければならない。

(学籍の異動)

第18条 学長は、懲戒の対象となり得る行為を行った学生から、懲戒等の決定前に休学又は退学の願い出があった場合には、この願い出を受理しない。

2 休学中の学生が停学処分となったときは、当該学生の停学期間中の休学を認めない。

(教務上の措置)

第19条 正規試験の不正行為については、その学期における当該学生の履修登録のうち、教育実習及び卒業研究・論文を除いた、すべての履修登録を取り消す。

2 正規試験での不正行為以外の場合に、当該学期又は当該年度において、半期開講科目のときは1ヵ月を超えて、通年科目のときは2ヵ月超えて停学処分となる場合は、単位の認定はしない。

3 停学期間中の学生であっても、停学期間終了後の履修のための履修登録を認める。

(停学期間中の指導)

第20条 学類長等は、停学期間中の当該学生に対して定期的に面談及び指導を行うとともに、関係機関の協力を得ながらその更生に努めなければならない。

(無期停学の解除)

第21条 学類長等は、無期停学処分を受けた学生の反省の程度及び学習意欲等を総合的に評価し、無期停学処分の解除が適当であると判断したときは、教員会議等で審議し、学長に報告しなければならない。

2 学長は、前項の報告に基づき、無期停学の解除を決定しなければならない。

(懲戒処分に関する記録)

第22条 懲戒処分を行ったときは、その内容を学籍簿の賞罰欄に記録しなければならない。ただし、本学が発行する証明書等にはその内容を記載しない。

(事務)

第23条 学生の懲戒に関する事務は、学生・留学生課において処理する。

(その他)

第24条 この規程に定めるもののほか、学生の懲戒に関し必要な事項は、別に定めることができる。

(施行期日)

1 この規程は、平成30年4月1日から施行する。

2 軽微な刑事処分に対する処置、学生の懲戒処分について、「刑事処分」の対象という文言の解釈についての申合せ、不正行為に対する措置、及び不正行為以外の理由による停学処分者に対する教務上の措置は、廃止する。

この規程は、平成31年4月1日から施行する。

この規程は、令和5年10月2日から施行する。

別表(第6条関係)

懲戒処分標準例

区分

行為の内容

懲戒の標準例

犯罪行為

殺人、強盗、強姦等の凶悪な犯罪行為またはその犯罪未遂行為

退学

故意または重大な過失による傷害行為

退学又は停学

薬物等に関わる犯罪行為

退学又は停学

窃盗、万引き、詐欺、恐喝、賭博、住居侵入等、他人を傷害するに至らない暴力行為等の犯罪行為

退学、停学又は訓告

痴漢行為(覗き見、わいせつ、盗撮行為その他の迷惑行為を含む。)

退学、停学又は訓告

ストーカー行為等の規則等に関する法律に定める犯罪行為

退学、停学又は訓告

交通事故等

死亡または高度な後遺症を残す人身事故を伴う交通事故を起こした場合で、その原因となる行為が無免許運転、飲酒運転、暴走運転等の悪質な場合

退学

人身事故を伴う交通事故を起こした場合で、その原因となる行為が無免許運転、飲酒運転、暴走運転等の悪質な場合

退学又は停学

無免許運転、飲酒運転、暴走運転等の悪質な交通法規違反

停学又は訓告

死亡または高度な後遺症を残す人身事故を伴う交通事故を起こした場合で、その原因となる行為が前方不注意等の過失の場合

停学又は訓告

人身事故を伴う交通事故を起こした場合で、その原因となる行為が前方不注意等の過失の場合

停学又は訓告

情報倫理に反する行為

コンピューター又はネットワークを利用した悪質な不正行為及び目的外使用

退学又は停学

コンピューター又はネットワークを利用した不正行為及び目的外使用

停学または訓告

ハラスメント

ハラスメント等に当たる行為

退学、停学又は訓告

正規試験の不正行為

本学が実施する正規試験におけるカンニング等の不正行為

停学1ヶ月

研究活動不正行為

発表された研究成果等の中に示されたデータや調査結果等の捏造、改竄、盗用及び虚偽の研究成果公表を行った場合

退学、停学又は訓告

その他非違行為

本学の教育研究又は管理運営を著しく妨げる行為

退学、停学又は訓告

本学が管理する土地及び建造物への不法侵入又はその不正使用若しくは占拠

退学又は停学

本学が管理する土地及び建造物又は器物の破損、汚損、不法改築等

停学又は訓告

本学の規則等に違反した場合又は学生としての本分に反した場合

退学、停学又は訓告

飲酒を強要し、死に至らしめる等重大が事態を生じさせた場合

退学又は停学

飲酒を強要し、急性アルコール中毒等の被害を生じさせた場合

停学又は訓告

福島大学学生の懲戒に関する規程

平成30年3月6日 種別なし

(令和5年10月2日施行)