○福島大学におけるハラスメント相談に対応するための指針

平成23年3月29日

第1 本指針の目的

この指針は、ハラスメントに関する学生からの相談が「学生総合相談室(カウンセラー)」及び「ハラスメント相談員(以下「相談員」という。)」にあった場合、又は同様の相談が職員から「相談員」にあった場合の、対応について定めたものです。

第2 基本的な心構え

相談に対応するに当たっては、カウンセラー及び相談員は次の事項に留意する必要があります。

(1) 相談者を含む当事者にとって適切かつ効果的な対応は何かという視点を常に持つこと。

(2) 事態を悪化させないために、迅速な対応を心がけること。

(3) 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。

第3 ハラスメントに関する相談の事務の進め方

1 相談を受ける際の体制等(相談員)

(1) 相談には、原則として2人の職員で対応すること。

(2) 相談を受けるに当たっては、相談者と同性の職員が同席するよう努めること。

(3) 相談員は、相談に適切に対応するため相互に連携し協力すること。

(4) 相談は、その内容を相談員以外の者に見聞きされないよう、周りから遮断した場所で行うこと。

2 相談者から事実関係等を聴取するに当たり留意すべき事項

相談者から事実関係等を聴取するに当たっては、次の事項に留意する必要があります。

(1) 相談者の求めるものを把握すること。

将来の言動の抑止等、今後も発生が予想される言動への対応を求めるものであるか、又は喪失した利益の回復、謝罪要求等、過去にあった言動に対する対応を求めるものであるかについて把握します。

(2) どの程度の時間的な余裕があるのかについて把握すること。

相談者の心身の状態等に鑑み、相談への対応に当たりどの程度の時間的な余裕があるのかを把握します。

(3) 相談者の主張に真摯に耳を傾け丁寧に話を聞くこと。

相談者が当事者の場合、ハラスメントを受けた心理的な影響から必ずしも理路整然と話すとは限らない。事実関係を把握することは極めて重要であるので、忍耐強く聴くよう努めます。

(4) 事実関係については、次の事項を把握すること。なお、これらの事実を確認する場合、相談者が主張する内容については、当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者がいるのかを把握すること。

① 当事者(相談者及び相手方とされる者)間の関係。

② 問題とされる言動が、いつ、どこで、どのように行われたか。

③ 相談者は、相手方に対してどのような対応をとったか。

④ 監督者等に対する相談を行っているか。

(5) 聴取した事実関係等を相談者に確認すること。

聞き間違えの修正並びに聞き漏らした事項及び言い忘れた事項の補充ができるので、聴取事項を書面で示したり、復唱するなどして相談者に確認する。

(6) 聴取した事実関係については、必ず記録にしてとっておくこと。必要と判断される場合は、本人の了解を得て録音しておくこと。

第4 相談を受けた場合の対応

(1) 申立書の提出

カウンセラー又は相談員は、単なる相談にとどまらず相談者が相手方に対し何らかの措置を希望する場合は、当人の求める解決方法(通知・調整・調停・調査)について、ハラスメント申立書(以下、「申立書」という。)を提出する意思があるかどうかを確認します。

(2) ハラスメント・ゼロ対策室への報告

カウンセラー又は相談員は、相談者から申立書が提出された場合は、相談内容を記した報告書を作成し、速やかにハラスメント・ゼロ対策室(以下、「対策室」という。)に提出します。

(3) セクハラ・パワハラ相談の報告

セクシュアル・ハラスメント及びパワー・ハラスメントは、他のハラスメントより告発の意味合いが強いので、カウンセラー又は相談員は、相談者が申立書を提出しない場合でも、以下のとおり報告します。

・相談者が職員の場合⇒総務担当副学長、事務局長、人事課長に報告します。総務担当副学長は事案に応じて、学長、教育・学生担当副学長、関係部局長に報告します。

・相談者が学生の場合⇒教育・学生担当副学長、事務局長、学生・留学生課長に報告します。教育・学生担当副学長は事案に応じて、学長、総務担当副学長、関係部局長、人事課長に報告します。

第5 問題処理のための具体的な対応例

相談員がハラスメントに関する相談に対応するに当たっては、ハラスメントに関して相当程度の知識を持ち、個々の事例に即して柔軟に対応することが基本となることは言うまでもないが、具体的には、事例に応じて次のような対処が方策として考えられます。

1 ハラスメントを受けたとする者からの相談

相談者からの相談内容に応じて、以下のとおり対応します。

なお、相談員の業務は(1)だけですが、(2)以降は「通知」・「調整」・「調停」・「調査」に該当する相談内容を例示したものです。

(1) 相談者に対して指導、助言をする。⇒相談員からの助言

例えば、職場の同僚から好意を抱かれ食事やデートにしつこく誘われるが、相談者がそれを苦痛に感じている場合については、相談者自身が相手の職員に対して明確に拒否の意思表示をするよう助言します。

(2) 申立があったことを相手方に通知し問題解決を図る。⇒通知に該当

例えば、特定の行為についてハラスメント申立てがあったということを相手方に注意喚起してほしいと希望する場合は、通知に該当します。この場合、通知は匿名で行われ、相談者の安全とプライバシー保護は最大限配慮されます。

(3) 当事者双方の主張を公平な立場で調整し問題解決を図る。⇒調整に該当

例えば、相手方の処分まで望むものではなく、迅速な対応を必要としている場合などで、指導教員、研究室、就業場所の変更、その他修学・就労上の環境改善などを求めている場合は、調整に該当します。

(4) 当事者同士の話し合い又は調停案により紛争解決を図る。⇒調停に該当

例えば、公平な立場の第三者の立会の下、相談者がハラスメントを行った相手方に自分の思いを伝え、相手方の意図も聞きたいという場合は調停に該当します。

(5) 事実関係の公正な調査に基づき厳正な措置を求める。⇒調査に該当

例えば、ハラスメントの内容がかなり深刻で、相談者が、事実関係を明らかにし相応の処置をとってほしいと希望する場合は、調査に該当します。この場合、相談者には相手方が処分対象となる可能性がある旨も説明します。

(6) 人事上必要な措置を講じるため、人事当局等との連携をとる。

例えば、セクシュアル・ハラスメントの内容がかなり深刻で、相談者と相手方とを同じ職場で勤務させることが適当でないと判断される場合などには、人事当局との十分な連携の下に当事者の人事異動等の措置をとることも必要となります。

2 ハラスメントとの指摘を受けたが納得がいかない旨の相談(相談員)

例えば、昼休みに自席で週刊誌のグラビアのヌード写真を周辺の目に触れるように眺めていたところ、隣に座っている同僚の女性職員から、セクシュアル・ハラスメントであるとの指摘を受けたが、納得がいかない旨の相談があった場合には、相談者に対し、周囲の職員が不快に感じる以上はセクシュアル・ハラスメントに当たる旨注意を喚起します。

3 第三者からの相談

例1: 例えば、女子学生が教員から性的なからかいを日常的に繰り返し受けているのを傍らから見て不快に思う友人学生から相談があった場合には、カウンセラーはまずその友人学生から事情を聞き、それがセクシュアル・ハラスメントであると認められる場合には、本人が相談にくるよう当該友人に伝えてもらいます。

例2: 例えば、パートタイム職員、契約職員及び嘱託職員に執拗につきまとったり、その身体に不必要に触る職員がいるが、本人は、立場が弱いため苦情を申し出ることをしないような場合について、第三者から相談があったときには、相談員はまず相談者から事情を聴き、事実が認められる場合には、本人が相談にくるよう相談者に伝えてもらいます。

第6 学生又は学生の保護者に係る苦情や相談に際しての注意事項

学生又は学生の保護者からカウンセラー又は相談員に相談があった場合、上記諸事項に留意するとともに、当該学生の心身の発達段階等を十分に考慮する必要があります。また学生の保護者に対しては、十分な情報提供をする等の配慮が必要になる場合があります。

この指針は、平成27年4月24日から施行し、平成27年4月1日から適用する。

この指針は、平成28年3月4日から施行し、平成28年4月1日から適用する。

この指針は、平成31年4月1日から施行する。

福島大学におけるハラスメント相談に対応するための指針

平成23年3月29日 種別なし

(平成31年4月1日施行)

体系情報
福島大学規則集/第2編 事/第2章 その他
沿革情報
平成23年3月29日 種別なし
平成27年4月24日 種別なし
平成28年4月1日 種別なし
平成31年4月1日 種別なし